2020年度バーチャル分科会

COVID-19,拡大に伴い、クラブの活動が制限されるなか、井植豊子ガバナーがおっしゃる「小さな一歩に誇りを持って歩みましょう」を念頭に活動しています。
例年ですとリジョン分科会は第Ⅲ地区の会員が一堂に会して行われますが、コロナ対策として今年度の分科会はZOOMによるバーチャル分科会として開催されました。
私たちSI和歌山紀ノ川は、24名の全会員が自宅から又例会場に集まって参加いたしました。

分科会日程
◎第1部
奉仕プログラム活動分野委員会・ソロプチミスト日本財団委員会 合同分科会
各委員会報告及びクラブ発表.
◎第2部
テクニカル機能分野委員会 合同分科会
各委員会報告及びクラブ発表

第1部クラブ発表に於きまして、SI和歌山紀ノ川はクラブの誇れる活動の発表のチャンスをいただき、宮本安津子会長が「ベトナム支援プロジェクトについて」を堂々と発表、会員たちは熱い気持ちをもって聞き入りました。
✿ 開会前、入念な準備作業が行われました。1,354名登録参加でした。

✿ 発表文を写真とともに下記に記します。

・ベトナム国立ホーチミン市師範大学 ・成績優秀な奨学金受給学生
・和歌山紀ノ川文庫         ・感動の歓迎会

私達のクラブは、ベトナム、ホーチミン市にある国立ホーチミン市師範大学に『ソロプチミスト和歌山紀ノ川女性奨学金』を設立、特別支援教育を学ぶ、勤勉で熱心な女子学生を支援しています。

きっかけは、地元の和歌山大学教育学部特別支援科の先生に、ベトナムにおける障害児教育の実情をお聞きしたからです。

2012年3月、認証20周年記念事業として発足。同時に、視覚障害者用コンピューター3台寄贈、また、日本語学部に『ソロプチミスト和歌山紀ノ川文庫』を設置し、毎年、会員持ち寄りの日本語の図書を寄贈しています。

奨学金の対象者は、特別支援教育学科に在籍する女子学生で、成績優秀かつ、経済的理由から奨学金の必要性が高い者に限られます。大学側の協議によって決定します。

毎年、春、秋、4名ずつの計8名に、1人150USドルずつ支給されます。できるだけ多くの学生に、という思いと、仮に一人の学生に多額の奨学金が支給された場合、その学生が親族や周囲からお金をあてにされるケースがあり得るという配慮から、大学側の希望もあり、このような形を取っています。今年で72名を数えます。

ベトナムの公立大学では、授業はほぼ無償ですが、150ドルあれば、フォーが一杯1ドルくらいと考えると、無理なアルバイトから解放されるのではないかと考えます。

奨学金授与の方法ですが、ホーチミン市師範大学を研修で訪れられる、和歌山大学の先生方にお金を託しています。大学より奨学生に手渡されます。

春の研修プログラムに同行される和歌山大学の学生さんが、私達の寄贈図書の運び手です。毎年、彼らのリュックサックは、気の毒なくらい、ずっしりと重いのです。

2014年3月、会員11名で、ホーチミン市師範大学を訪れました。奨学金は、クラブ会長より直々に、4名の女子学生達に手渡されました。学内の視察や、学生、先生方との温かい交流を通して、これまで想像するしかなかった遠い国での支援が、形となり、一層身近なものとなって、私達の脳裏に焼き付けられました。

かつての奨学生が勤めている、障害児学校も訪問しました。子供達が歓迎会を用意して、待っていてくれました。一緒に歌を歌いました。思わず胸が一杯になりました。

ベトナム戦争下、散布された枯葉剤の影響は、未だに、ベトナムの人々を苦しめています。図らずも、障害を持って生まれて来た子供達にも、教育を通して、より明るい希望の未来へ導きたいと努力する、彼女達の存在はかけがえのないものと思いました。そして、その一助となるべく活動している事を、改めて自負し、心より誇りに思って、帰国の途につきました。

最後に、奨学生の作文から少しご紹介し、私の発表を終わりたいと思います。和歌山大学の留学生がいつも、ていねいに訳してくれます。

「これまで、ベトナムでは、障害児は家庭でひっそりと育てるものという風潮がありました。しかし、障害のある子供達も平等で、その支援は社会的責任で行われるべきだとわかったのです。特別支援教育は少しずつ広がっていますが、まだまだ教師の数が足りません。私はこれを一生の仕事とし、ベトナムの特別支援教育の発展のために、全力を尽くすつもりです。」

ご清聴ありがとうございました。(SI和歌山紀ノ川会長 宮本安津子)

以上